メッセージ
持続可能なウェルビーイング志向社会に
貢献できる
「共創デザイナー」の
育成を目指して
国際流域環境研究センター・教授
石平 博
サブサハラ地域が直面する課題
サブサハラ地域(対象国:ガーナ共和国)は、急速な人口増加と社会・経済的変革を経験する一方で、環境悪化、水と衛生、感染症に関する様々な課題に直面しています。これらの課題は密接に関連し合い、人間の福祉に直接影響を及ぼしています。2015年以降、持続可能な開発目標(SDGs)が世界的な取り組みを導いてきましたが、そのセクター別構造と目標指向型アプローチは複雑で、持続可能性の課題を解決するには十分でない部分も残されています。2030年以降のポストSDGs社会の目標についての議論が進む中、環境の持続可能性と人間の福祉を統合する新たな枠組みが必要とされています。
SWGsの提唱と専門家の不足
外務省「持続可能性に関する有識者会議」では、次期目標の方向性として「一人ひとりの幸福の増進」「日本がグローバル・サウスへの架け橋となること」などを提言しています。 また、ポストSDGsの目標に関する議論の中で、環境・社会の持続可能性を維持しながら個人の幸福向上を重視する「持続可能な幸福目標(SWGs)」の概念も提唱されています。しかしSWGsの実現には、地域特性を理解しながら、複数の分野を統合し、ステークホルダーとの共創による実践的な解決策を提案できる人材が必要となります。現在、このような学際的で国際的な視野を持つ専門家は不足しており、そのような人材を育成する効果的な教育モデルは未だ確立されていません。
新たな教育モデルの確立
本プログラムでは、山梨大学が主導し、北里大学およびガーナ大学と国際コンソーシアムを形成し、サブサハラ諸国におけるSWGs指向の人材育成のための新たな教育モデルを確立することを目標とします。参加大学それぞれの強みである流域環境管理、 公衆衛生・感染症研究、国際教育を相互補完的に活用することで、以下の能力を備え持続可能なウェルビーイング志向社会に貢献できる「共創デザイナー」の育成を目指します。
環境管理・公衆衛生に
関する先進的な知識
専門学術知識・技術を応用するために
立場の異なる人々と共鳴する力
問題解決とウェルビーイング向上の方法を提案し、
SWGsの社会に貢献する能力
プログラムの構成
本プログラムは、大学院修士・博士レベルでの共同学位プログラム、主に学部生を対象とした短期国際体験プログラム、教育活動の長期的な持続可能性を確保するための教職員研修プログラムという、3つのサブプログラムにより構成されます。共同セミナー、実験室研修、ガーナと日本におけるフィールド調査を組み合わせたハイブリッド教育を通じて、学生は現実の社会的課題に直接取り組み、学際的な問題解決能力を獲得します。
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共同学位プログラム
- 対象
- 修士、博士課程学生
- 学生数
- 日本/ガーナ 各5名/年程度
- 内容
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- オンライン講義、対面講義・演習
- ラボステイ
- 学位論文の共同指導
- オンライン学位発表
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短期体験プログラム
- 対象
- (主に)学部学生
- 学生数
- 日本/ガーナ 各8名/年程度
- 内容
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- フィールドワーク
- グループディスカッション
- 交流イベント など
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教職員研修
- 対象
- 若手教員、事務職員
- 学生数
- 日本/ガーナ 若干名/年
- 内容
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- 教育現場の視察
- 事務体制に関する情報・意見交換
- オンライン研修(科目の一部視聴など)
さいごに
本プログラムを通じて、参加者は国際的視野、学際的専門性、実践的実行力を備えたグローバルに活躍できる専門人材へと成長し、持続可能なウェルビーイング社会実現のための解決策の設計・実行を担うことが期待されます。また、開発した教育手法・コンテンツの学内外への普及を促進するとともに、中長期的にはサブサハラ諸国全体への国際教育交流ネットワークの展開を目指します。
